皆さんこんにちは!Nomuです。
さて前回までの商談会ネタも区切りがついたところで、今回は
「メダルゲームの今」について考えてみたいと思います。
ゲームセンターの閉店が続き、もうゲームセンターに未来はない
とまで言われている昨今ですがその中でも特に今厳しいと言われている
ジャンルが「メダルゲーム」です。
なぜ厳しいのかというと一言では語りきれないので項目ごとに考えてみます。
限界を突破したメダル貸し出し枚数
最もよく話題に上がるのがいわゆる「メダル単価」の問題です。
私がこの業界で働き始めた頃は1,000円でメダル50枚が一般的な価格でした。
えーっと97年頃だと思います。
で、今は皆さんもご存知の通り1,000円で500枚が都心では一般的になって
しまいました。
「安く沢山メダル借りられるからいいじゃん」 という事ではないんですよ。
当時に比べメダルの価値が1/10になったって事ですよ
メダルの価値が下がったという事は1ゲーム・1BETの価値が下がったとも言えます。
簡単に言えば熱くなれないのです。
私は仕事上いくらでもメダルが使える状態でメダルゲームをプレイする事がありますが
本当につまらないですよ
(なので動画撮影時はテーマを設けて自分のプレイに縛りをつけています)
このダブルダウンに勝てば500枚だけど負けたらどうしよう・・とか
プッシャーのJPが5,000枚貯まってる!自分が出したい!・・とか
そういう欲求や葛藤はメダルに価値があるから生まれるものです。
価値がないものに人はときめきません。
そしてメダルゲームの面白さの本質ってこの欲求や葛藤だったりするのです。
安易なメダルの安売りによって自分達で
メダルの面白さを捨ててしまったのです。
面白くないものにお金を出す人はいません。そりゃ厳しくなりますよ。
安売りのもう1つの弊害
基本メダルの価格は各ゲームセンターが自由に設定出来ます。
ですが置いてあるマシンはそんなに簡単には変更できません。
このヴィーナスファウンテンは稼動が悪いから明日から北斗の拳に
しよう! って出来ませんから。
置いてあるゲームは昔のままなのにメダルの価格は安くなってしまった。
しかし利益は出さなければいけない。
この状況でまずメーカーがやる事は何かといえば
1,000円500枚の状況でも利益が出るマシンを開発して売る
まあ、当たり前ですよね。
最近のメダルゲームで言えば「スターホース3」とか「北斗の拳」
ちょっと前で「ガリレオファクトリー」なんかはまさにコレで
そもそも50枚や100枚のメダルで遊んでもらおうと思ってません。
最低でも500枚は元手がないとまともに遊ぶ事も出来ません。
ですが、そんな時代に合わせて設計されたマシンばかりではありませんし、
買おうと思っても高くて買えないこともあります。
そんな時ゲームセンター(オペレーター)に残された選択肢は
ペイアウト率を調整することです
ペイアウト率(以下P/O)ってなにさというと、例えば100枚使って100枚払い出しがあれば
そのゲームのP/Oは100%です。
100枚使って50枚の払い出ししかなかったらP/O50%。
逆に200枚の払い出しがあればP/O200%です。
で、メダルゲームには設定P/Oというものがあって、途方もないゲーム数(何百万回とか)
そのゲームを遊ぶと結果的に設定されたペイアウト率に収束するように出来ています。
この設定P/Oというのは工場出荷の段階で決まっていて、その状態が最もゲームが
面白い状態とされています。なのでメダルゲームを楽しんでもらおうと思ったら
ペイアウト率をむやみに上げ下げしてはいけないんです。
メダルを安くした分ペイアウトを下げるなど愚の骨頂です
ただでさえ安売りでメダルの価値が下がっているのに、ゲームもつまらない状態で
提供して、何がしたいのかと。
ただ誤解のないように言っておきますがペイアウト率は短期的には測れません。
そしてたとえ低くしたとしても、何千、何万という当りに巡りあう事もあります。
逆に、ペイアウト率を高く設定しても「絶対に勝てる」訳ではありません。
勝ち負けの波が必ず発生します。
なので、単に自分が当らないからといって「設定が悪い」と決め付けるのは間違っています。
また、勝った時に「設定が良かったから」と決めつけてしまうのも間違いです。(そしてつまらないです)
自分の運や立ち回り、戦略の結果勝ち負けがあると考えた方がメダルは楽しめますし
自分ではどうにもならない偶然や幸運・不運 などがメダルゲームを彩っている事をお忘れなく。
スターホース3はメダルゲームじゃない
メダルの安売りと、それをカバーしようとペイアウト率をいじる事がどれだけ
メダルゲームをつまらなくしているかは先に書いた通りですが、ひとつ例外があります。
それが「スターホース3」です。
スタホ3は大量消費・大量獲得が前提ですし、メダル1枚で複数クレジットにするのが
最早常識的な運営です。
そして多くのゲームセンターがそれぞれの状況に合わせて運営をしています。
これはこれで1つの成功例だと思います。
ただ、他のゲームとスタホ3を同じ「メダルゲーム」として同一の運営をする事は
無理があります。なぜならメダル1枚の価値も違いますし、ゲームの楽しみ方も
違うからです。
なので、スタホ3と他のメダルゲームは運営方法を変えつつメダルも共通で使えない
ようにする方が店舗全体としては上手くいくと思います。
つまり見出しにあるようにスタホ3はメダルゲームではありません。
スタホ3はスタホ3というジャンルのものです
限りなくアーケードゲームに近いものだと考えたほうがよいでしょう。
いったんまとめ
もう少し多面的な話にしようと思ったのですが、価格の話で長くなってしまったので
一度まとめたいと思います。
・血で血を洗う価格競争の末にメダルの価値が下がってしまった。
・メダルの価値が下がったのでゲームそのものの面白さも損なわれてしまった。
・安売りし過ぎて利益が出なくなった。
・なんとか利益を出そうとペイアウト率調整という麻薬に手を出した店も・・。
・結果、メダルの価値は下がったままだし、ゲームも面白くないからやらないという
最悪の結果に。
・メーカーとしては利益の出るマシンを作るので買って下さい。ただし高いです。
・高いから買わない→メーカー機械作らない→メダル新作出ないの負の連鎖へ。
・新作が出ないから話題にもならない→さらにプレイヤー減少へ。
・色々あったけど結局誰も勝者がいない。全員血を流して終わり。
なんていうか自分でまとめてて思いますが、
この業界バカなのかなって思いますよね
特に首都圏の大手のオペレーター
増税とかスマホとか不景気とか色々な外的要因はそりゃありますけど
自分達でどんどんダメな方に進んでいって
「もうメダルはダメだ!今はプライズがいい!」とか・・。
が、過去は過去!
ここからどうやっていい方向に進んでいくかが大事な事であって
過去は過去です。
次回は価格とは別の角度でメダルゲームの今を見つめたいと思います。
Nomu
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