皆さんこんにちは。NOMUです。
前回のブログで
最後の方に
しかしなんていうか、ゲームセンターが
どんどん「プライズ屋さん」になってるな。
色々と思う所もありますが、近いうちに
その辺はまとめて記事にします(?)
なんて書いたので、今回はこの事を考えたいと思います。
久しぶりに取材無しの記事ですが
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
2019年度ゲームセンターの状況
色々考える前に私の手元にある資料から
現状の数字を確認しましょう。
参考にするのはおなじみの(?)
『2019年度アミューズメント産業界実態調査報告書』
業界団体に加入していれば確認できる資料です。
逆に加盟していない店舗の数字は反映されていません。
あくまでも参考値というか目安の数字です。
あとあんまり詳しい数字を出すと怒られそうなので
ある程度端折って書いていきます。
まずは全国の店舗数
前年比100%
2018年度から店舗数は変化無しという事ですね。
だいたい全国に12000軒位あるみたいです。
ただ専業のゲームセンター・・・えーっと
例えばバイヨンみたいに『ゲームセンター!以上!』
みたいな店舗だけの数字ではなくて
イオンのゲームコーナーだったり、ドンキホーテの
ゲームコーナーだったり、旅館とかホテルの
ゲームコーナーだったり、そういう
『諸々をひっくるめた数字』です。
更にいえば風営許可を取っている店も
取っていない(取る必要がない)
店も全部混ざっています。
この数字、2010年度は2万とかだったので
まあ数を減らしてはいるんでしょうね。
続きまして店舗の売上げ
前年比104%
売上げ伸びてるじゃん!?
でも店舗の数も減ったし2010年度あたりと
比べれば残念な数字なんでしょ?
・・・
2010年度と比較すると
109%!?
そう、実は2014年度が売上げ低迷の底で
そこから持ち直した結果、2019年度がここ10年では
一番売上げがいいんです。
まったく実感はありませんが
バイヨンが実感を得られないのは理由がありまして
・・・まあ、それは後程。
では売上げをジャンルごとに見ましょう。
まずメダルとアーケードですが
前年との比較でどちらのジャンルもあまり変化なし
という感じです。メダルが微増、ビデオが微減、
合計するとほぼ動きなし。
音ゲーを除外したアーケードで見れば2010年度から
年々数字を落としてきている感じです。
音ゲーは2013年から多少の変動がありつつも
安定している数字ですね。全体の数字で見るとあまり
インパクトのない数字ではありますが。
メダルの方はといいますと2010年度から比較すると
お話にならない位落ち込んでいます。
ええ、それはもうすごい落ち込みようです。
ただこの数字って転用機(パチンコ・パチスロ)
の数字も混みなのでそのあたりどう判断するかですが。
ちなみに売上げの底は2018年度(最近!)
回復傾向にあると言えば聞こえはいいですが
ここから先どのように数字が変わっていくかは
不透明です。2020年度はなにも期待できませんが!
2021年度もだいぶ怪しいですが!
で、本題のプライズですが
前年比106%
店舗全体の売上げ前年比が104%で
プライズ単体で前年比106%という事は
つまりそういう事です。
そして売上げ額で見ても、他ジャンルを
まったく寄せ付けない強さを誇ります。
そもそも他ジャンルと売上げの
桁が一つ違う
さらに言えばプライズの売上げが
業界全体の売上げの半分ちょい
全国で約12000店舗あるゲームセンターの
1年間の総売り上げの半分以上がプライズ売上げ
という事になるんですよ!?
残りの半分弱をその他のジャンルで
分け合っているという構図になっています。
そりゃどこもプライズ頑張るよ!
・・・
でもプライズって景品の仕入れもあるし
利益で言ったらどうなのよ?
というのは過去の話。
仮に売上げの半分が原価(仕入れ値)
だったとしても、めちゃくちゃ利益出てます。
他ジャンルが現状勝てる要素はありません。
そもそも売上げの額が違い過ぎるし、
原価率が50%なんてありえないし。
とりあえず
原価率とかペイアウトの話は終わらないし
私が不思議な事故に遭いそうなのでやめときます。
ギネス合戦?
数字をざっくり確認したところで
この1年程話題になっているギネスのお話。
ギネス。世界記録。なんの?
一店舗に設置してるプライズ機の台数のです。
かつては『エブリデイ行田店』の240台というのが
ギネス記録でした。世界一のゲームセンターという
謳い文句でメディアにも露出していましたね。
ギネス認定されたのは2012年頃のお話。
時は流れ2020年8月。
『タイトーステーション 府中くるる店』が
454台を設置し記録を塗り替えます。
すごいなぁ、なんて当時ニュースを眺めていたんですが
その年の12月、再び記録が塗り替えられます。
『セガ新宿歌舞伎町』がリニューアルし
プライズ専門店になります。設置台数は驚きの
480台!
いやいや、480台って・・・
この記録を上回る店舗は今後出てくるのでしょうか?
台数が多ければいいって訳でもないですが
他ジャンルと比較にならないプライズの圧倒的な
売上げ規模を考えれば大手がこういうやり方に
チャレンジするのもわからなくはないです。
それにしても480台ってすごいなぁ
バイヨンにこの台数を並べようと思っても
坪数的に無理なので、まず相当な広さの店舗を
持っていないと出来ないやり方ですね。
前回のブログで書いた『東京レジャーランド池袋店』も
プライズ専門店ですが、台数は約330台とのこと。
ここや、新宿のセガが成功するとなったら
今後こういうやり方が一般的になるかもしれませんね。
本当にプライズ屋さんでいいの?
やっとこの話題。
数字を見ても、最近の流れを見ても
ゲームセンターのプライズ専門店化は
なるべくしてなった流れなのかなと思います。
最近だとアドアーズ蕨店も他ジャンルを
減らしてプライズを大きく強化しましたね。
たまたま情報が目に入ったので例に出していますが
他にもそんなお店は沢山あると思います。
理屈で言えば商売なので伸びている分野に
注力するのは正しいです。今回の件に関しては
本当に議論の余地なく圧倒的に正しい選択です。
今の段階では
セガ新宿歌舞伎町やレジャラン池袋が成功するか
どうかでその選択が本当に正しかったのかは
いずれわかる時が来るでしょう。
ここまで書いた事はただの事実です
ここからは私の考えを少し。
いくらプライズがよいと言っても全ての店舗が
同じようにプライズを頑張れる訳ではないんですよね。
変に方針を変えて店舗の個性を殺してしまった結果
余計に売上が苦しくなるなんて事は
この業界あるあるでして・・・
そもそも今からプライズ機を揃えようとしても
規模にもよりますがまあまあの投資が必要な訳で。
一か八かで投資してダメだった場合は閉店になる訳で。
そうなるとプライズに頼れない店舗は
今できる範囲で尖った店舗を目指すしかないと思うんですよ。
総合居酒屋が苦しいなんて事を言われて久しいですが
メダルもプライズもアーケードも全部そこそこあります
っていうお店は総合居酒屋と同じで、何かに尖らないと
個性を出していかないと苦しいのかなと思う訳です。
まあ、ラウンドワンみたいに『全部買う』という
やり方もある意味尖っていますよね。
他は真似できない訳ですから。
アーケードでは各地に有名店・聖地というお店があります。
秋葉原のタイトーHeyだったりミカドだったり
深谷ロボットだったり。共通してるのはレトロ基板ですね。
こういうお店はそりゃ苦しいは苦しいと思いますが
ファンの方達に支えられて存続していけるお店なのかな
と思います。訪問した事はありませんが関西だと
ザリガニさんとか有名ですよね。
メダルに活路を見出すという選択もあります。
(すごい大変なのでお勧めはしませんが・・・)
バイヨンはもちろんそういうお店ですが
ドラマさんなんかも割と同じような所を目指して
いるんじゃないかなと感じます。
他は・・・どこだろう?
アドアーズはプライズ路線へ舵を切ってるし・・・
シルクハットは割とメダルも頑張ってるイメージ。
タイトーも一部のお店はメダルに特化してるか。
タイトーといえば
タイトーのどなたか。たぶん偉い人が
『個性的な店づくりをしていく』
というような発言を最近していたと記憶しています。
ネットの有料記事だったのでタイトル位しか
読めてません。違ったらごめんなさい。
まさにその通りだと私も思いますし
今の社会情勢では益々他との差別化が求められる
時代だと思います。ただね。
私も今回さんざん書いていてアレなんですが
ゲームセンターで差別化とか尖るって
本当に難しいんです
だって色んなゲームを置いておく方が
間口も広くなるし儲かりそうな
『気がするから』
普通のお店なら『尖ってみる』とか怖くてできませんよ。
でも変わっていかないといけない時代なのかな
この1年は本当に強くそう思います。
という訳でまとめますと
ゲームセンターのプライズ専門店化は
選択としては正しい
そして、これからは益々
個性的な店である必要があると結論付けておきます。
・・・でもやっぱり、個人的な情緒としては
プライズ一辺倒になってしまうのは
寂しいなぁと感じる次第です。寂しいなぁ。
Nomu
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