ゲームセンターは衰退したのか?復活したのか?

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皆さんこんにちは。NOMUです。

職業柄ネットでゲームセンターの話題を検索する事が多いのですが

「コロナを乗り越えてゲームセンター復活!」とか

「なぜゲームセンターは衰退したのか?」とか

色々な情報が溢れております。

で、結局ゲーセンは衰退したの?復活したの?

という内容を個人的な見解で書いてみようと思います。

こういうブログ久しぶりに書くので頑張ります。

 

データから検証してみる

個人的な見解の前に2021年度のデータが手元にあるので

まずは実際の数字を検証してみます。

データを全部引用する訳にはいかないのでざっくりですが・・

店舗数

まずは店舗の数。

ゲーセンってややこしくて5号対象店と5号非対象店がありまして

5号対象店は風営の許可を取って営業している店舗です。

大型の店舗とか、単独店舗とかは対象店舗です。

で、非対象店は風営許可を取らずに営業している業態でして

量販店の片隅に置いてあるゲームコーナーとかのイメージ。

プライズの景品で高額なゲーム機を提供していたり

がっつり二次交換で運営しているところは非対象店です。

それらを全部混ぜた店舗数ですが

約10年前は約17,000店

2021年度は約10,000店

10年間で7000店減りました!

減り過ぎじゃない?

ただこれは全部混ぜた店舗の数。

5号対象店=いわゆる皆さんがイメージするゲームセンター

に絞ると

約10年前は約6,200店

2021年度は約3,900店

・・・うーん、やっぱり店舗数は減少しているんですね

 

オペレーターの売上

オペレーターっていうのはゲームセンター運営をしている会社です。

メーカー兼オペレーターもありますが、それはレアケース

ほとんどの店舗はオペレーターに専念しています。

で、売上げはどうなっているかというと対象、非対象の合計で

2021年度は10年前の95%

ただコロナの影響が強くてコロナ禍以前は順調に

売上額は伸びていました。そして2020年度から2021年度を

比べるとちゃんと売上げは復活しています。

多分最新のデータでは100%をこえていると思います。

つまり

店舗数は減ったけど売上げは伸びている

そんな不思議な状況に置かれている訳です

 

復活した根拠

以上から巷にあふれる「ゲーセン復活!」みたいな情報は

嘘じゃないという事がわかります。根拠が売上であればね。

店舗数はがっつり減っているので真の意味で復活かといえば

そこは微妙ではありますが・・・

 

衰退の原因?

続きまして「ゲーセンが衰退した原因はなにか?」

という情報を整理して行きます。

こういう記事って衰退の根拠が「店舗数」なんですよね。

まあ実際減っているし、衰退しているといえばまあ、うん。

それもまた一つの側面ではあります。

では衰退した原因はどこにあるのか?

よく原因とされているのは以下のような内容

・家庭用ゲーム機の進化

・スマホで無料で遊べるゲームの登場

・利益率の減少

・コミュニティ機能がSNSに奪われた

それでは1個づつ検証してみましょう。

 

家庭用ゲーム機の進化

その昔はゲーセンのゲームが最先端で家庭用は性能が低く

本当にゲームが好きなプレイヤーは最先端を求めて

ゲームセンターに通った・・・そんな時代もありましたね。

現在ではどちらも性能に遜色なく、家庭用の方が性能がいい位。

そして家庭用でもネットを使って対戦や協力プレイが出来る。

確かにこうなるとわざわざゲームセンターで遊ぶ理由は

あまりないかもしれませんね。

とはいえ、カードを使ったゲームなど「ゲーセンでしか遊べない」

そんなゲームも沢山あります。レースゲームなんかもそうですね。

ゲーセンの専用筐体で遊ぶから楽しいというゲームもあります。

 

スマホで無料で遊べるゲームの登場

家庭用ゲーム機の進化よりもむしろスマホに余暇時間を

奪われたというのが大きいと思います。個人的には。

とはいえ、スマホに余暇時間を奪われたのはゲーセンだけでなく

全ての余暇産業が同じ状況です。

 

利益率の減少

昔は消費税もメーカーへの通信料もありませんでした。

確かにその時代から比べれば利益率は減少しています。

近年では更に電気代の高騰もあり利益率は悪くなる一方。

確かに閉店を選択するオペレーターが増えるのも頷けます。

消費税が上がってもなかなか価格に反映できない商売ですしね。

もう1度消費税が増税したらいよいよゲーセンは滅亡するかも。

電子マネーを駆使して1プレイ110円とかにすればいい?

確かにそれはそう。だけど全てのゲーム機に電子マネー用の

端末を取り付けるのにどれくらい予算が必要なのか?

そして「決済手数料」が存在する以上は単純な解決策には

ならないと思います。そもそも値上げしてプレイしてくれるのか?

 

コミュニティ機能がSNSに奪われた

これはちょっと面白い切り口だと思います。

ゲーセンって単にゲームをする場所じゃなくて

コミュニティの場でもあったんですよね。

名前も知らないけど対戦で盛り上がるとか

同じゲームが好きで仲良くなるとか

かつては「コミュニティノート」なんて文化もありました。

確かにそういう機能はSNSに奪われてしまったかもしれません。

 

名前は同じでも別の施設

ここまでをまとめると

・店舗数は減少している

・売上げは回復し、伸びている

・売上げに注目すれば復活

・店舗数に注目すれば衰退

結局どうなの?復活なの?衰退なの?

個人的な答えは

「どちらもちょっと違う」

 

衰退しているのはビデオ中心の店舗

まずゲームセンターのイメージが「人によって違う」

このイメージの違いが事態をよくわからなくしている

原因なんだと思います。

例えば昔のゲームセンターを知っている方は

・ゲームセンターは沢山のビデオゲームがある場所

こういう認識かもしれません。

また別の方は

・ゲームセンターはビデオゲームやメダルゲームがある場所

また別の方は

・ゲームセンターはプリクラとプライズのある場所

どれも正解ですが、ゲームセンターと一口に言っても

これだけイメージに違いがあります。

おそらくゲームセンター衰退論を支持している方は

ビデオゲームが豊富なゲーセンをイメージしている

のではないでしょうか?

確かにその通りです。

ビデオゲームをメインとしているゲーセンは減少しています。

凄い勢いで減少しています。

名店と呼ばれた店舗も閉店が続いています。

実際先ほどの「ゲームセンター衰退の原因」はほとんどが

ビデオゲームを中心に考えた衰退の原因ですね。

そしてネットで議論されるのはビデオゲームが中心で

メダルやプライズはあまり話題に出ません。特にメダル。

 

好調なのはプライズ

売上は復活しているのに店舗数は減少している。

これだけの情報だと「?」となりますね。

もう少し細かく説明すると

・プライズ主体の店舗は売上げ好調

・ビデオ中心の店舗は減少している

こういう事です。

売上が復活、好調と言われていますが

好調なのはプライズ売上です

現在ゲームセンターの売上の7割がプライズ!

他のジャンルは額で言ったらプライズの足元にも及びません

 

ゲームセンターは別の施設になった

かつてゲームセンターといえばビデオ中心の店舗がほとんど。

その後メダルやプライズ、プリクラ、キッズマシン等々

様々なジャンルが1つの店舗に混在する時期を経て

現在は

ゲームセンターといえばプライズ

そんな時代になっています。

もちろん全ジャンル混在している店舗や

ビデオ中心の店舗もまだまだありますが

売上の7割をプライズで稼ぐこの時代。確実にゲーセンは

プライズを大量に設置していている施設に変わりました。

変わったんです

 

まとめ

「売上はプライズが7割」

今はそんな時代です。なので以前のアーケード中心の店舗は

減少を続け、プライズ中心の店舗が生き残り、または出店し

業界の売上げはプライズが一手に担っています。

かつて対戦格闘ゲームで熱狂の渦にあった店舗は減少し続け

ゲームセンターはファミリーでカップルでプライズを楽しむ

そんな施設に変化しました。時代に合わせて変化をした結果

業界全体の売上げは伸びていますが、かつてのプレイヤーが

熱狂していたゲームセンターは希少な存在になってしまいました。

ビデオ中心のゲームセンターは衰退し

プライズ中心のゲームセンターは好調

ゲームセンターという名前は同じでも昔と今では

まったく違う施設といってよいでしょう。

個人的には寂しいですがこれも時代なんですかね・・・

今もビデオ中心に頑張っている全国のオペレーターの皆さん!

一緒に頑張って生き残りましょう!

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Nomu

Nomu

数少ないバイヨンオープニングメンバーの1人。もう10年以上バイヨンに関わってます。メダルゲームを専門とし、シングルマシンをこよなく愛する。好きなゲームは52JP・HMなど。