メダル運営のお話(後編)

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皆さんこんにちは。NOMUです。

久しぶりに前後編でお届けしている今回のテーマ

『メダル運営のお話』 ですが、各方面から反響を頂きありがたい限りです。

さて今回は後編という事で、まずは前回の記事をどうぞ

メダル運営のお話(前編)

前編の最後で問題を出しましたのでまずはこちらの答えから

問題はこうでしたね?

【メダルマシン月間データ】

マシンA BET・・50000 WON・・38000 H/G・・12000 P/O76%

マシンB BET・・1000 WON・・900 H/G・・100 P/O90%

この月、店舗の売上に貢献したマシンはAとBどちらでしょうか?

正解は『どちらとも取れる』です。

えー何それ、ズルイ。

という訳で解説です。

メダルはデータだけではわからない

さて、先ほどの問題ですが普通に考えればマシンAの方が貢献しているように見えます。

だってH/Gが12,000と100ですからね。

H/G(ハウスゲイン)というのはお店の取り分=プレイヤーが負けたメダルです。

つまりこの数字が高いマシンほど、プレイヤーのメダルを回収したマシンという

風に考えられます。

プレイヤーはメダルがなくなったらどうするでしょうか?

追加でメダルをお求めするかもしれませんよね?(可能性の話しですが)

なので普通はH/Gの数字が高いマシンの方が『売上に貢献したマシン』と

考えられます。

ところが実際の現場ではこんな事が起こっているかもしれません

・マシンAは預かりメダルが100万枚あるプレイヤーが遊んだだけ

・マシンBは1,000円分のメダルをお求めしたプレイヤーが遊んでいた

この場合どちらが売上に貢献したと言えるでしょうか?

データ上ではマシンAといえますが、その月に実際にお金を使った

プレイヤーが遊んだマシンはマシンBですよね。なのでマシンBの方が

売上に貢献したともいえます。

なのでこの問題の正解は『どちらとも取れる』になります。

もう少し正確に答えを書くと『現場の状況を知らないと真実はわからない』です。

メダル運営はデータだけではわからない(判断できない)部分も大きいのです。

だからメダル運営には『人』が必要

前回の記事でも書きましたが、メダル運営には人の力が必要です。

データだけではなく、現場で実際に起こっている事を正しく見なければ

いけないからです。これが他ジャンルと決定的に違う部分ですね。

先ほどの例の応用ですが、マシンの入れ替え時にも同じ考え方が出来ます。

・あまり人気がない(稼動が低い)マシンを搬出したら売上が下がった

理由はなんとなくわかりますでしょうか?

正解は

・搬出したマシンを目的に遊びに来ていたプレイヤーが来なくなった

・そのプレイヤーは来店時に必ず1,000円は使っていた

こんなところでしょうか?

稼動が低いマシン=売上に貢献しないダメマシン と一概に言い切れないのです。

ただこんな事は現場で状況を逐一見ておかなければ絶対にわからない事ですね。

だからメダル運営には人が必要なんです。

貸出機の罠

メダル運営を難しくしている原因の1つは

『現金がマシンに直接入らない』事です。

メダルの売上ってほとんどは貸出機に入った現金の事です。

まあ、最近はマシンに直接100円玉が入るマシンがあったり高額パックを貸出機を

通さないで貸し出したりもありますが、どの店舗でも基本は貸出機に入った現金が

メダルの売上です。

どれだけ素晴らしいマシンが設置してあって、素晴らしいデータを出していたとしても

プレイヤー全員が預かりメダルで遊んでいて貸出機が稼動していなければ

月間の売上は0円です。

逆もまたしかり・・・。

なので『一人ひとりのプレイヤーの状況』を把握する事が大事なのです。

貸出機に入った現金の内訳も大事ですね。

10万円の現金が貸出機に入っていたとして、1人が10万円使ったのか?

10人が1万円使ったのか?100人が1,000円使ったのか?

ある程度は在客数のデータで判断できますが、やはりこれも人が見ていないと

正しく判断できない部分だと思います。

まとめ

いかがでしょう?メダル運営の難しさと『人』が必要という事は伝わりましたでしょうか?

もちろん各社色々な理念で経営方針で店舗を運営しているので

今回の記事が正解という事ではありません。むしろ正解はないと思います。

ただこんな考え方もあるんだな・・・という事だけお伝えできれば幸いです。

ここ最近はメダルの単価戦争も少し落ち着きましたね。

1,000円500枚で運営していたところも300枚にしたりしています。

やはり1,000円500枚では採算が取れない、無茶な運営になる というお話も

業界のあちこちで聞こえてきます。私もどう考えても1,000円500枚は無謀だと思います。

あとはあそこの企業が価格を他社に合わせれば・・・・。

えっ、いや違いますよ、あそこの事じゃないです・・・じゃあ仮にA社って事で。

A社ってあの、たとえで使うでしょ?A社とかB社とか、そのA社ね。

(あとはご想像にお任せします)

という訳でメダル運営のお話でした。

最後までお付き合い頂いてありがとうございました。

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Nomu

Nomu

数少ないバイヨンオープニングメンバーの1人。もう10年以上バイヨンに関わってます。メダルゲームを専門とし、シングルマシンをこよなく愛する。好きなゲームは52JP・HMなど。